生成AI入門コース
~第5話 主要な生成AIサービスの全体像~
第4話では、AIがもっともらしいが事実と異なる内容を生成する「ハルシネーション」について学んだ。自然に読めることと正しいことは別であり、一次情報での確認、人によるレビュー、出典の確認が対処法として重要だと理解した。
どのサービスを使えばいい?

ハルシネーションへの対処法を学んだ神谷は、生成AIを実際に試してみたいという気持ちが強くなっていた。しかし、いざ使おうとすると、新たな疑問が浮かんできた。




ChatGPT(OpenAI)






西園寺は料金体系についても簡潔に整理した。ChatGPTには無料プランに加えて、個人向けのGo、Plus、Proプランがある。Goは無料プランよりも多くのメッセージ、ファイルアップロード、画像作成などを使える低価格プランで、地域や条件によっては広告が表示される場合がある。より高度な推論や上限の大きい使い方にはPlusやPro、組織で管理して使う場合にはBusinessやEnterpriseが用意されている。


Claude(Anthropic)






Claudeにも無料プランがあり、基本的な対話を試すことができる。有料のProプランでは利用回数が大幅に増え、プロジェクト管理機能なども使える。さらに上位のMaxプランでは業務自動化の機能も拡張される。企業向けにはTeamプランやEnterpriseプランもある。


Gemini(Google)






Geminiは無料で基本的な対話が使える。Google AI PlusやGoogle AI Proなどの有料プランに加入すると、最新モデルやGoogle Workspaceとの連携機能が利用できる。


3つのサービスを比較する
西園寺は3つのサービスの特徴を、神谷にも分かりやすいように表にして整理してくれた。
| ChatGPT | Claude | Gemini | |
|---|---|---|---|
| 開発会社 | OpenAI | Anthropic | |
| 特徴 | 多機能オールインワン。画像生成・音声会話・リサーチまで統合 | 文章の質と正確さ。丁寧な出力に加え、業務の自動化にも強み | Googleサービスとの深い連携。メール・文書・検索などとAIが一体化 |
| 無料プラン | あり(利用制限あり) | あり(利用制限あり) | あり(利用制限あり) |
| 個人有料プラン | Go / Plus / Pro(Goは広告表示の場合あり) | Pro / Maxなど(利用上限を拡張) | Google AI Plus / Proなど |
| 企業向けプラン | Business / Enterprise | Team / Enterprise | Google Workspace連携 |
※ プラン名・料金・広告表示の有無は2026年6月時点の公式情報をもとにした概要です。最新条件は各サービスの公式サイトでご確認ください。



神谷は西園寺の整理を聞いて、まずは3つのサービスを無料プランで試してみようと思った。


UI利用とAPI利用の使い分け
サービス選びの話が一段落したところで、神谷はもう一つ気になっていたことを切り出した。「API」という言葉と、ふだん自分が触っているチャット画面が、頭の中でうまくつながっていなかった。




西園寺は、2つの入り口の向き不向きをまるやまマートの業務に当てはめて、ごく簡単に整理してくれた。UI利用は、人間が画面の前に座って質問しながら使う形。商品説明の下書き、メール返信案、調べ物の壁打ちなど、一回ごとに内容が違う・人の判断が必要な作業に向く。月額制が基本で、コストの予測がしやすい。
API利用は、AIを「自社のシステムの部品」として呼び出す形。問い合わせフォームに届くメッセージを自動で分類する、レビュー文を毎晩バッチで要約する——といった「決まったパターンの作業を大量にこなす」場面に向く。料金は処理した量に応じた従量課金が基本で、具体的な仕組みは『IT基礎』第9話で扱う。






📌 覚えるポイント
- 主要な生成AIサービスとしてChatGPT(OpenAI)、Claude(Anthropic)、Gemini(Google)の3つがある
- ChatGPTは多機能オールインワン、Claudeは文章の質と業務自動化、GeminiはGoogleサービスとの深い連携がそれぞれの強み
- どのサービスも無料プラン → 個人有料プラン → 企業向けプランという3段階構造。ChatGPT Goのように広告が表示される場合があるプランもある
- 業務での使い方には「UI利用(人が画面で操作)」と「API利用(システムが裏側で呼び出し)」の2つの入り口がある
- 利用頻度×自動化必要度の4象限で整理し、まずはUI利用で試して、効きそうな業務だけAPI利用を検討する
- APIそのものの仕組み(呼び出し方や従量課金)は『IT基礎』第9話で詳しく学ぶ
📖 覚える用語
- ChatGPT(OpenAI)
- OpenAI社が提供する対話型生成AIサービス。文章生成に加え、画像生成、音声会話、Web検索、リサーチなど多機能を一つに統合したオールインワン型が特徴。
- Claude(Anthropic)
- Anthropic社が提供する対話型生成AIサービス。出力する文章の質の高さと、業務自動化への対応力が特徴。OpenAIの元研究者が設立した会社が開発。
- Gemini(Google)
- Google社が提供する対話型生成AIサービス。Gmail、Googleドキュメント、スプレッドシート、Google検索など既存のGoogleサービスとの深い連携が強み。
- UI利用
- ブラウザやアプリのチャット画面から、人間が直接AIに話しかけて使う形。利用頻度が低めで、毎回の内容が違い、人の判断が入る作業に向く。月額制が一般的。
- API(Application Programming Interface)利用
- 自社のアプリやシステムからプログラムでAIを呼び出して使う形。決まったパターンの大量処理や、業務システムへの組み込みに向く。処理量に応じた従量課金が一般的。仕組みの詳細は『IT基礎』第9話で扱う。
- 今日学んだこと
- 主要な生成AIサービスは3つ(ChatGPT=多機能、Claude=文章の質・業務自動化、Gemini=Google連携)。業務での入り口にはUI利用とAPI利用の2つがあり、まずはUI利用から試すのが安全。APIの仕組み自体は『IT基礎』第9話で詳しく学ぶ。
- まるやまマートとの関係
- ふだんの商品説明づくりや壁打ちはUI利用で十分。お問い合わせ自動分類や夜間バッチでのレビュー要約のように、量と定型性が増えてきた業務はAPI利用の候補。Googleツールを使っている点はGeminiと相性がよい。
- 選び方の指針
- ①まず無料プランで3サービスを触る、②同じ質問を投げて回答を比較する、③UI利用で効きそうかを確かめる、④量と繰り返しが多い業務だけAPI利用を検討する、という4ステップで整理する。
- フェアに向けて
- 来年の子育て家庭応援フェアでも、商品紹介文・お知らせ文の下書きはまずUI利用で試す。1日数十件〜数百件規模の繰り返し作業が見えてきたら、API利用を検討する。
