Shiny Academy

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~プロローグ 来年のフェアへ、学びが動き出す~

はじめに

これは、地域密着型の生活雑貨・食品小売会社「まるやまマート」を舞台にした学習ストーリーです。

主人公の神谷悠馬は、AIやITに詳しい専門家ではありません。 店舗の現場を知り、販促の仕事に日々向き合ってきた、ごく普通の若手社員です。

ある日、社長から「生成AI」「DX」「EC改善」の検討を託され、さらに来年の大型企画「子育て家庭応援フェア」の準備も任されます。 分からないことだらけの神谷が、大学時代の先輩・西園寺遥と一緒に、一つずつ学びながら仕事の改善につなげていく物語が、ここから始まります。


登場人物

神谷悠馬

神谷 悠馬(かみや ゆうま)

まるやまマート本部 店舗運営・販促担当 / 27歳
真面目で誠実な若手社員。入社5年目、店舗勤務を経て本部に異動し、現場の声を本部に届ける橋渡し役を担っている。文系出身でITやAIには縁遠かったが、ある日社長から思いがけない相談を受けることになる。

西園寺遥

西園寺 遥(さいおんじ はるか)

ITコンサルタント / 30歳
神谷の大学時代の先輩で、中小企業向けのDX・生成AI活用支援を専門にしている。面倒見がよく、相手の状況を丁寧に聞いたうえで一緒に考えるのが彼女のスタイル。困った神谷が最初に頼ったのが、この先輩だった。

丸山祐介

丸山 祐介(まるやま ゆうすけ)

まるやまマート二代目社長 / 62歳
先代から受け継いだ店を守り、地域のお客様と社員を何より大切にしてきた。デジタルの話は正直よく分からないが、会社の将来を本気で心配しているからこそ、若い力に懸けてみようと思っている。


プロローグ

神谷にとって「生成AI」も「DX」も、まだ遠い世界の言葉だった。 けれど、店舗から届く日々の困りごとと、ECサイトの伸び悩みが、その言葉を急に自分の課題へと変えていく。

AIニュースを見た朝

本部オフィスでスマホのAIニュースを見る神谷悠馬

まるやまマート本部の朝は、いつも通り慌ただしかった。 売り場の販促予定、チラシの校正確認、店舗からの問い合わせ対応。神谷の机には今日も資料とメモが山積みになっている。

店舗からは「今週のおすすめ商品をECにも載せたい」「店頭では売れているのに、ネットでは反応が薄い」という声が届いていた。 神谷も課題は感じている。けれど、限られた人数で日々の業務を回すだけで精一杯だった。

休憩の合間にスマホを開くと、画面にはAIに関するニュースがいくつも並んでいた。 「文章作成を効率化」「社内業務にAIを活用」「ECサイトの改善にも」。 見出しだけは何度も目にするのに、神谷にはそれが自分の仕事とどうつながるのか、まだはっきり見えていなかった。

神谷の心の声最近、AIの話をよく見るな。便利そうだけど、うちみたいな小さい会社で本当に使えるんだろうか

社長からの相談

丸山社長が神谷にEC改善と生成AI活用を相談する場面

その日の午後、神谷は社長室に呼ばれた。 丸山祐介社長は、いつもの穏やかな表情のまま、少しだけ言いにくそうに資料を差し出した。 そこにはECサイトの売上推移と、更新が止まりがちな商品ページの一覧が並んでいた。

資料には、検索から訪れたお客様がすぐに離脱していること、季節商品の説明文が前年のまま残っていること、少人数の本部スタッフが手作業で更新を続けている状況も記されていた。

丸山社長:「神谷くん、うちのECサイト、正直あまり売れていないんだ」

丸山社長:「それに最近、生成AIとかDXとか、いろいろ聞くだろう? うちも何かしないとまずいと思っていてね」

神谷:「AIですか……正直、何ができるのか、僕にはまだ分かっていなくて」

丸山社長:「そこも含めて分からないんだ。だから、現場のことをよく知っている神谷くんに、まず何ができそうか調べてほしい」

社長は資料の束からもう一枚のメモを取り出した。 そこには「子育て家庭応援フェア」という企画名が書かれていた。

丸山社長:「実は来年、『子育て家庭応援フェア』という大きな企画をやることになっているんだ。店舗だけでなく、ECやWebでの発信も含めて、会社として力を入れたいと考えている」

丸山社長:「だから、そのフェアに向けて、ECサイトや社内DXにAIをどう活かせるかも一緒に考えてくれないか」

神谷は資料に目を落とした。 店舗の販促なら、季節や客層を見ながら経験で考えられる。 けれど、ECサイトの改善、生成AI、DX、そして来年の大型フェアとなると、急に足元が頼りなくなった。

神谷の戸惑い

生成AI、DX、EC改善という課題に困惑する神谷悠馬

神谷の心の声生成AI? DX? EC改善? しかも来年の大きなフェアまで……。どれもちゃんと理解できていないのに……

「AIを使えばすぐ良くなる」と言えるほど単純ではなさそうだった。 商品説明を書き直すだけで済むのか、在庫管理や販促の仕組みまで見直すべきなのか。 フェアの準備に間に合わせるには、何から手をつけるべきなのか。 神谷の頭の中では、聞き慣れない言葉だけが先に膨らんでいった。

神谷が黙っていると、社長は責めるのではなく、少し困ったように笑った。 その表情には、無茶なお願いをしている自覚と、それでも一緒に考えてほしいという気持ちが混ざっていた。

丸山社長:「年配の社員も多いし、こういうことを相談できる人がなかなかいなくてね」

丸山社長:「神谷くん、若いし、店舗のこともよく分かっている。何とか一緒に考えてくれないか」

神谷:「正直、詳しいわけではありません。でも、店舗のことやお客様のことなら分かります。まずは調べながらでも、やってみます」

こうして神谷は、会社のためにこの相談を引き受けることにした。 ただし、何から始めればいいのかは、まだまったく見えていなかった。

西園寺への相談

夜のカフェで西園寺遥が神谷からの連絡を受ける場面

その日の夜、神谷は大学時代の先輩である西園寺遥に連絡を取った。 仕事を終えて駅前のカフェにいた西園寺は、スマホに届いた神谷からの相談を読んで、すぐに通話をつないだ。

短いメッセージだけでも、神谷が焦っていることは伝わってきた。 西園寺は、社長室で渡された資料を送ってもらい、売上グラフ、商品ページの更新表、店舗からのメモ、フェア企画書を確認した。 そして、まず「流行の言葉」ではなく「困っていること」から整理しようと提案した。

神谷:「社長から、ECサイトを何とかしたい、生成AIやDXも考えたいと言われました。来年の『子育て家庭応援フェア』に向けて準備したいとも……。でも、話が大きすぎて、どこから手をつければいいのか」

西園寺:「いきなりECを直そうとしなくていいの。来年のフェアに向けて、まずは生成AIで何ができるのか、DXとは何なのか、そしてECの問題がどこにあるのかを順番に整理していきましょう」

神谷:「順番に、ですか」

西園寺:「そうね。分からない言葉を一気に片づけようとすると混乱しやすいの。仕事の課題に立ち戻りながら、一つずつ見ていきましょう」

神谷:「AIを勉強するだけじゃなくて、うちのECや店舗の課題に結びつけて考える、ということですね」

西園寺:「その通りよ。便利なツールを探す前に、何を良くしたいのかを見失わないことが大切なの。そこから一緒に始めましょう」

学びのロードマップ

西園寺が神谷に向けて学びの流れを説明するカフェの場面

西園寺はノートを広げ、神谷の前に大きな流れを書き出した。 それは単にツールを覚えるためのリストではなかった。 まるやまマートのEC改善と、来年の「子育て家庭応援フェア」に向けて、必要な知識と考え方を順番に積み上げていくための道筋だった。

神谷は、ようやく少しだけ肩の力が抜けた。 全部を一度に理解する必要はない。まずは生成AIを知り、業務で試し、ITの基礎を押さえ、DXを業務改善として捉え、体制づくり、データ、発信へ進んでいく。 その順番が見えたことで、社長からの大きな相談は、少しだけ「学びのテーマ」に姿を変えた。


ロードマップ整理

プロローグから最終章までの学習ロードマップの図解
最終章までの完成版ロードマップ

プロローグで見えた不安は、8つの学習コースを経て、実践総まとめの「子育て家庭応援フェア」で一つに合流します。

※ プロローグ(起点)+ 8コース(生成AI入門〜実践総まとめ)= 全63話で構成されています。

プロローグの終わり

帰り道、神谷は社長室で感じた不安を思い返していた。 生成AIも、DXも、EC改善も、まだ自分の言葉で説明できるほどには理解できていない。 それでも西園寺と話したことで、少なくとも「順番に整理すればいい」という道の入口は見えた。

神谷はスマホに残っているAIニュースの見出しをもう一度見返した。 朝には遠く感じた言葉が、今はまるやまマートの課題と少しだけつながって見える。

分からないことだらけだけど、一つずつ学んでいけば、何か変えられるかもしれない。

次回から神谷は、まず「生成AIとは何か」を知るところから始める。 まるやまマートのECサイトと、子育て家庭応援フェアに向けた小さな一歩が、ここから動き出す。